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ROAプロジェクト

続 2006年槍ヶ岳アタック

 先日の続きです。
 2日目の朝、憂鬱でした。明らかに山小屋に叩きつけられる雨音が大きい・・・。そう、外はかなり強く雨が降りしきってました。朝ご飯を食べながら、作戦会議です。こういう状況でも食欲は衰えないので、ガツガツ食べつつも、これからの行程どうするか?みんなで悩みました。
 
 我々以外の宿泊客の方々は皆、下山という選択をされてました。女性一人でいらしていた方も、折角お休みを貰って来たけど諦めます、と早々に下山されました。
 我々は、なんだかんだでウダウダし、出た結論は、「槍が待っている」という事でした。つまり、決行です。このとき、私だけが「もう帰ろうぜ」と迫ったものの、多数決で登ることになったのでした。ただ、途中のルートを見て、少しでもまずそうなら即下山する、ということにしました。

 で、合羽を着込み、イザ出発です。
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このとき、山小屋の方に最終的な天気予報を伺っていたのですが、私は・・・。これ、誰に撮ってもらったか不明です。

 さて、登ると決めたからには行くのみです。余りの雨脚の強さに、5回くらい「帰ろう」と口にしてしまったのが情けない・・・。
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周りの山を見渡すと、いたるところに滝が出来ている・・・。リーダー各のO君もボソッと「こんなの経験ねぇ~なぁ~」。やっぱり、安全ではない・・・。
 でも、一度山小屋を出たら、安全確実に次の山小屋までたどり着かねばなりません。山の中では自己責任。もしもの事が起きれば、色々な人様に迷惑を掛けてしまう。つい、今日のニュースで「無謀会社員、豪雨の中登山決行遭難し救助求める」なんてニュースの見出しが脳裏をよぎります。

 山小屋を出発して1時間くらい経過したくらいでしょうか?沢の脇を通るルートに差し掛かった時に、これ以上水位が上がったら進めなくなる、天気予報では雨は2日間は降り続くし、もし目的の山小屋に着いても、次の日に帰れなくなる可能性も高い。
 という事で、ここまで来たけど勇気有る撤退をするしかない、という結論となりました。

 となると、サクサク下山しなければなりません。帰りのルートの中にも沢の脇を通るルートがあり、水位が上がると登山道が通行不能になってしまう危険性もあるためです。

 すると早速、しっかりと登山道が崩れている~♪。
 
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はい、沢渡り決定!!でも、ここは流れも少なく水位も大したことはないので安心して渡れます。
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そして、土石流跡も渡らなければなりません。歩き方がやや変ですが、上流を凝視し「土石流こないでね」と願いつつも通過です。

 
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ここも、あとちょっと水位が上がると完全に通行不能になるであろうというルートです。間に合って良かった、と思いつつサクサク通過していきます。

 ちなみに、この濁流から「ドス、ドス、ズシン」という音が至るところから聞こえてきます。これがまた恐怖を駆り立てます。川の中を転がる岩が、川底の岩に当たった時の音なんですが、これが結構な大音量なんです。おっかねぇ~!!

 昨日、あれだけ青い水と空だった景色は、一日でこんな濁流に早代わり。自然の驚異ってオソロシイです。
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この後、無事に上高地に着いた時は本当にホッとしました。登山は本当になめて掛かってはいけません。

 この後、上高地からタクシーで駐車場まで戻り、その足で白骨温泉に行き、4人で無事戻れた喜びを湯船の中で噛み締めたのでした。ただ、お目当ての温泉はしっかりと休館で入れなかったのが最後の試練でした。
 
 はて、もしあのまま槍を目指していたらどうなっていたか?それはもう神のみぞ知る、ということですね。途中で逃げ帰るという判断、間違ってなかったと今でも信じています。
by zeo-m | 2007-07-07 01:33 | お山歩きのはなし
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